TOEIC730点は一つの基準とされており、TOEIC公式でもレベルBに位置付けられています。受験や就職、また会社での報奨金や昇進の要件にもなっているため、これを目標にしている人は多いと思います。そういったモチベーションで730点を目指すのですが、毎回受験しても600点台…のような人は多いのではないかと思います(大学1回生の時の筆者が無対策で臨んだTOEICテストが690点だった様に)。730点を超えられない人に向けて、最も効率よく目標を達成するために何が重要になのか、ずばり解説したいと思います!
筆者について
高校生の時は英語がそこそこ得意でした。センター試験で筆記190/200, リスニング38/50といった感じでした。大学1回生の夏休みに特に対策をすることなく受験したTOEICは690(L330, R360)でした。その後しばらく時間は飛びますが、大学院修士2回生の4月に、この記事の内容を実践して受験したTOEICが910点(L450,R460)でした。
730点をとれない人に足りていないこと=本番形式の演習回数
730点を目指すものの目標に届かない人に足りていないのは本番形式の演習回数です。なぜ本番形式の演習回数が少ないのか原因を2つ挙げ、なぜ本番形式の演習回数が多いと高得点を取りやすいか理由を解説したいと思います。そしておすすめの勉強方法について紹介したいと思います。
なぜ本番形式の演習回数が少ないのか?
通しでやると2時間もかかるので時間的にも精神的にもハードルが高い
TOEICテストは通しでやると2時間かかるので、いざ始めることすらハードルが高いです。比較的時間をとりやすい学生の方であっても、2時間拘束されるのに慣れている人は少ないでしょうし、社会人の方は平日は仕事で拘束されたり、家族がいたりで週末くらいしかまとまって時間が取れない、など模擬試験を通しでやろうとする人は少ないものです。しかし、だからこそ、本番形式の演習をやりまくる人とやらない人で差がつきます。演習問題を積みまくれる人は少数派であり、これをやれる人が高得点者になれるのです。
演習問題の準備をするのが面倒くさい
TOEICテストはリスニング問題もあるので、音源の準備がとても煩わしく感じます。本番を意識するとヘッドホン越しではなく、スピーカーから聞きたいところですが、そうすると家でしかできなくなり、場所も制限されます。また、マークシートの準備も家にプリンターがない場合はコンビニなどでプリントする必要がありこれも面倒です。適当にルーズリーフなどで番号をメモするだけでも良いのですが。。。
しかし、繰り返しますが、この面倒くささを乗り越えた人が高得点者になれるのです!
なぜ本番形式の演習回数が多いと高得点をとりやすいか?
英語の体力が鍛えられる
TOEICはリスニング45分、リーディング75分と長丁場です。普段英語に慣れ親しんでいない人が120分英語に取り組むのは相当ハードです。後半になればなるほど問題の文章量も増えるので、疲弊によりスコアが伸び悩んでしまいます。リーディング後半の長文問題は文章が長いだけで難易度が高いわけではないのですが、疲れによって難しく感じてしまうことがあります。
本番形式の演習問題に何回も取り組むことで、英語の体力を鍛え、120分の長丁場でも集中力を保つことができます。
瞬発力が鍛えられる
TOEICは英語力を測る試験なのは間違いないのですが、瞬発力や判断力も問われると考えています。1回しか流れず問題間のインターバルも短いリスニングや、普通のペースで解くと終わらないリーディングを考えると、英語力に加えて、瞬発力も鍛えておく必要があります。瞬発力は、洋書や単語帳で鍛えるよりも、演習問題の練習を積むのが最も効率的です。
リズム感覚を養える
TOEICはリズムゲーであるといっても過言ではありません。リズムをつかむと点が伸びますが、ひとたびリズムが乱れると点が落ちてしまいます。特にリズムが顕著に効いてくるのがリスニングパートです。リスニング後半は、1セット3問がひたすら続きますが、リズムに乗っていると前の回答を素早く処理して次の問題の先読みができるのですが、一度リズムが崩れると次の問題の先読みができないため、少なくとも2セット6問が不安になってしまいます。またリーディングでも、問題毎にかけても良い適正時間がわかっていないと最後まで解ききることができません。演習問題を積んでおくことで、リズムをつかみやすくなり、リズムが崩れてしまった場合でもリカバリーする力を鍛えることができます。
勉強方法
毎日少しずつ時間のとれる人
演習問題をpartごとに小分けにして毎日やる
partごとに分かれた教材を使って、毎日コンスタントに取り組むのがおすすめです。教材は豊富にあると思いますが、私はボリュームがあり高地トレーニングできる教材を好んで使っていました(通称イクフン修行)。少し古く旧型式の試験であるのが難点です。
週末しか時間の取れない人
週末に本番形式で演習問題を通しでやる
週末に1回だけでもいいので2時間通しで本番形式の演習問題に取り組みます。試験1か月前から取り組むと4回、3か月前なら12回取り組めます。私の感覚では12回も取り組めば本番で力を出し切ることで730点をこえ800点ほどとれるようになるのではないかと思います。本番形式の演習問題用の教材として、筆者は値段の割に量の多い教材(ハッカーズ出る模試)を好んで使っていました。本番よりも難しめで低めに得点が出たりするので慢心せずに済むというメリットもあります。
最重要教材:演習形式の教材
まずは本番形式の教材を入手するのが最優先です。公式問題集も良いですが、値段に対して問題収録数が多い(=コスパが良い教材がおすすめです。)
公式問題集
2回分の演習問題があります。価格が3300円なので、1650円/1回となります。まず勉強の始めに1回目に取り組み、本番の直前に 2回目に取り組むのがおすすめです。
ハッカーズ出る模試700(コスパ◎、本番より若干難しい)
リーディングとリスニングを合わせて買うと7回分の演習問題になります。合わせた価格を5600円とすると、800円/1回なので、公式問題集の半分のコスパとなっておりおすすめです。難易度は本番よりも分量が多いのですが、この本の分量に慣れると公式問題集が簡単に感じられます(〇ジータ「TOEIC本番もこの程度か…俺は強くなりすぎてしまったんだ…」のような気分を味わえます笑)
イクフン(partごとに分かれている、コスパ◎、難易度高めだが力がつく、旧形式なのが傷)
partごとに分かれているので、細切れの時間を利用して勉強しやすいのがメリットです。毎朝30-60分、時間を決めて取り組むのをお勧めします。
教材のコストを抑える方法
演習問題の日付を記録しておき3か月後に再利用
TOEICの模擬試験の教材は無数にありますが、新しい問題に取り組みたいからといって新しいものをどんどん買い足していくのは経済的ではありません。そこでおすすめなのが、演習問題の教材は多くても3種類までにしておき、3か月以上の感覚で教材をつかいまわすことです。3か月以上間を開けると内容を覚えていないはずなので、同じ教材を使っても新しい問題の様にテスト演習をすることができます。
そのほかの教材について
この記事で紹介してきたように、TOEICの受験を決めた1-3か月前から本番形式の演習を積むのが最適なのですが、すき間時間などでやるとよい教材は以下の通りです。
単語帳
金のフレーズ(万人にお勧め。これだけあれば十分)
TOEIC500以上の人はこの単語帳をマスターするだけで700-900までの単語力を身に着けることが可能です。TOEIC独特の単語が網羅されています。量も少ないので反復しやすいのもオススメです。しかし、単語だけで伸ばすのが難しいので、一周したら演習問題に優先的に取り組みましょう。
システム英単語(基礎力に不安のある人向け)
TOEIC300-400点で何からやっていいかわからない人はシステム英単語に取り組むのが良いと思います。単語帳を眺めるのは最もハードルの低い勉強方法なので、英語に慣れ親しむのに最適だと思います。120分英語に取り組める体力がついたらシステム英単語を卒業して金のフレーズを使いましょう。
洋書
ラダーシリーズ(レベル別で万人におすすめ)
ジャンルを問わず様々な有名作品がレベルごとに分けられています。自分の知っている作品を読むと親しみやすいと思いますし、知らない作品であっても英語で読める良い機会になるのでおすすめです。
ハリーポッターなど有名作品の原著(上級者向け)
上級者向けになってしまいますが、有名作品を英語で読むのにチャレンジしてみるのも良いです。人物の発言などは何とか理解できると思いますが、情景描写になると途端に難易度がアップします。英語で場面を想像する力を鍛えることができるので、TOEIC800-からは挑戦してみてもいいと思います。
TOEIC730点を超えて次の世界に踏み出せたら幸いです
これからはグローバル化が進み英語の重要性はさらに増していきます。たとえ英語の自動翻訳ツールなどが発明されようとも、英語を自在に扱える人間が扱えない人間よりも有利になるのは明白です。この記事の内容が英語力向上を目指す方々の参考になれば幸いです。
面倒くさがらずにやれるかどうかにかかってるんですね!