今回は、「偏差値60理論 : 組織や集団の中で活躍するためには偏差値60がちょうど良い」と筆者が考える理由を解説していきたいと思います。多くの人は社会で活躍し、自己実現を果たしたいはずです。その中で、どれくらい努力すれば自己実現が出来るのか、疑問に思っている人もいると思います。「専門性を極めるために膨大な努力が必要になるのか」、「能力よりも他者を思いやる共感性の方が大事なのか」などなど、様々な見方があるかと思います。
筆者が主張する「偏差値60理論」は、「専門性も他者への共感性もバランスよく高めるのが、組織で活躍するにはちょうど良い」というものです。勉強や努力をするモチベーションが上がらない学生の方や社会人の方の参考になれば幸いです。
*注)偏差値60というのはイメージしやすいための表現であって、ここでは厳密に大学偏差値などで検索したときに出てくる指標を基にしているわけではありません。この記事での偏差値60というのは、「集団やその業界において中の上~上の下くらい」といったイメージを持って頂ければと思います。
適度な努力量で到達することができる
偏差値の定義から考えると、偏差値60は上位16%にあたります。 例えば平均点60点、標準偏差20点のテストがあれば、80点をとれば到達できます。偏差値60が適度な勉強量で到達できることを説明したいと思います。
今40点とれる状態の人(=偏差値40の人)が60点をとり偏差値50になるためには、残りの60点のうち20点を取れば良く、単純に考えると、残りの範囲の33%(20/60)を勉強するだけで良いということになります。
今60点とれる状態の人(=偏差値50の人)が80点をとり偏差値60になるためには、残りの40点のうち20点を取れば良く、残りの範囲の50%(20/40)を勉強すれば良いということになります。
一方、今80点の人(=偏差値60の人)が100点を取り偏差値70になるためには、残りの20点のうちの20点を取るので、残りの範囲の100%(20/20)を勉強する必要があります。
以上のように、高得点を目指せば目指すほど、網羅的な勉強が必要になるので、必要となる学習時間も跳ね上がっていく様子がわかると思います。逆に考えると、偏差値60くらいまでであれば、それほど厳しい努力は必要とされていないこともわかりますね。
つまり、偏差値60は「一切努力しなかったら無理だけど、適度な努力で到達可能で、厳しい努力は必要ない」というレベルなのです。たった少しの努力でも上位1割に到達し、周囲と差をつけることができるんですね!
トップ層(偏差値70超)と一般層(偏差値50)の橋渡しができる
偏差値60はトップ層と一般層の橋渡し的なはたらきができます。
トップ層は必要以上の努力をしてきた層であり、高い専門知識や能力を備えています。しかし、彼らは自分の周りも同じトップ層であった割合が多く、また専門性をとがらせる様な生き方をしてきているので、(表現を選ばなければ、)視野が狭いコミュ障である可能性が大いに考えられます。このように、トップ層には「専門性は高いけど他者への共感性に難がある」といった性質があります。
一般層は、トップ層と逆の性質を備えています。つまり、他者とのコミュニケーションを大切にし、集団生活の中で調和を大切に人生を歩んできています。一般層は「他者への共感性に優れているけど、専門性が低い」といった性質があります。
偏差値60は、トップ層と一般層の中間の性質を持っています。つまり、「専門性も他者への共感性もそこそこ高い」ということです。偏差値60の人は、できる人の気持ちもできない人の気持ちもある程度わかる=どの層とも共感できるという特性がある上で、トップ層が持つ専門性を理解し、一般層が理解できる形へ変換する能力もあります。このように偏差値60というのは、トップ層と一般層の橋渡しができ、組織や集団の中でバランス良く活躍できる存在なんですね!
総合力であっても単一の科目であっても適用可能
偏差値60理論は、総合的な能力だけでなく、単一の科目や業務であっても適用できます。例えば、今身につけているプログラムの知識の偏差値が60だとしたら、プログラム関係の業務で偏差値70と50の橋渡しが可能になります。これから新しいことに挑戦しようと考えている人が目指すのにオススメなのが「やり過ぎなくても良いけど、基礎を押さえて応用をプラスアルファ」くらいのレベルで、挫折する可能性が低く業界で活躍もできてオススメです。
人生のどのステージでも努力するのはたった1割→努力するだけで上位1割
これは筆者の経験からもわかっている、ある意味で世の中の真理なのですが、人生のどのステージにおいても、まともに努力や勉強をする層は1割しかいません。小中高大と就職後と、本当に人生のどのステージにおいても、です。所属する集団によっては多少上下しますが、同年代全体で比較すると間違いなく1割しか努力をしていないのです。
周りの9割が努力しないのであれば、少し努力するだけで上位1割=偏差値60になれるというのは最もですよね。周りと差をつけるために、少しでも良いからコツコツ努力する姿勢が大切です!
今回の記事が、努力して社会で成功し、自己実現を果たしたいと考えている皆様の参考になれば幸いです!